電子ドラムは、ゴムパッドやメッシュパッドの進化によって生ドラムに近い表現ができるようになりました。
騒音の原因となる打面にはゴムパッドやメッシュパッドが採用され、消音効果を発揮します。 その打面の素材となるゴムパッドやメッシュパッドは、消音効果以外でもさまざまな工夫がなされています。一見、どこを叩いても同じ音が出そうな平たい円盤ですが、叩く場所によって生ドラムのように音が変化するのです。昔の製造技術では難しかったこのような音の表現も、音源モジュールやパッドの進化によって可能になりました。 生ドラムに近い叩き心地やレスポンスなど、生ドラムの練習用として十分代用することができます。
音源モジュールに内蔵されたメトロノーム機能やトレーニング機能などを使うことで、ドラマーに必要な基礎トレーニングをすることもできます。リズムコンビネーションの練習やフレーズの確認など、自宅でドラム音を確認しながら生ドラムのシュミレーションができる環境は魅力的です。
ドラマーにとって練習場所というのは大きな壁となっていますが、誰もが自宅で練習ができる環境が欲しいと思うはずです。
かつて、このような練習環境の問題を解消してくれたのが、トレーニングパッドでした。
このトレーニングパッドも生ドラムに近い叩き心地を実現するためにウレタンやシリコンなどの素材を使い改良を重ねてきた製品で、ドラマーの必需品とされてきました。 しかし楽器ではないのでドラムの音はでません。 誰もがドラムの音を聞きながら練習に取り組めることを望んでいたのではないでしょうか。
しかし、打音や振動については、消音効果がある電子ドラムでも完全に押さえることはできません。 実際にはパタパタと音も出ますし、振動も少なからず発生します。 住宅の環境によっては、防音・防振対策を練らなくてはならないこともあります。
生ドラムの練習用と考えた場合、あなたにベストな機種とはどのようなもでしょう。
練習用だからと、廉価版などの安価な製品を購入すると機能面でそれなりの制限が出てきます。 廉価版などは機能面において制限があるものが多く、「あれができない」「これができない」と不満がでてくることが多くあるからです。そうならないためにも、自分が電子ドラムをどのように使いたいのかある程度はっきりさせておくとよいでしょう。
電子ドラムを練習用とした場合の目的とは、大きくわけて2通りです。
A. 生ドラムを叩く機会が多く、自宅で軽い練習用としてシュミレーションしたい場合 B. 自宅でガッチリ生ドラムをシュミレーションしたい場合- ・ パッドの素材や機能
- ・ 音源モジュールに記憶された音色数や種類
- ・ 拡張性やオプションなど
上手な機種選択としては、ドラムの上達を見込み少し機能が豊富な機種を選ぶとよいです。 カタログや写真ではわかりませんが、実際は音源とパッドをケーブルで繋ぐことになるので案外かさばります。生ドラムほど大きなものではありませんが、電子ドラム全体をイメージし自宅での設置スペースも考えたいところです。
RolandのTD-9K-SやYAMAHAのDTXPRESSIV STDなどは、機能面や消音性にも優れ、バランスのとれた機種でおすすめです。
電子ドラムも生ドラムも、リズムワークやコンビネーションといった手足を使う練習は同様と考えられます。しかし、電子ドラムと生ドラムには決定的な違いがあります。 生ドラムは、音量や音色、各楽器のバランスを経験と感覚から自分自身でコントロールする楽器。 はじめからいい音色やバランスで叩くことはできません。 しかし電子ドラムは初めてドラムを叩く方でも奇麗ないい音がしてしまう。 これは電子ドラムの良いところでもあり、落としどころでもあるのではないでしょうか。
例えばリズム全体のバランスを考えた場合、ドラムは各役割をもった楽器の集合体で、それぞれのパートがバランスよく響くことで聞く側にも1つの心地よいリズムとして感じてもらえるもの。 生ドラムの演奏では、熟練した経験と練習からこのような感覚を磨いていきます。 簡単なようで軽くドラムに触れたぐらいではできないことです。
しかし電子ドラムでは、各楽器(パッド)のバランスを音源モジュールに記憶させることで容易に制御できてしまう。電子ドラムを叩き聞かせるだけならなにも問題はないのですが、電子ドラムだけに頼って練習してしまうと生ドラムで力を発揮できないことが起こりありえます。
そうならないためにも、電子ドラムでの練習が生ドラムにおいても発揮できるように、生ドラムにふれる時間をもつことも大切な練習の1つとなるはずです。
生ドラムの上級者だからといって、電子ドラムも上手とはいえません。
多彩な表現力がある上級者ほど、元から奇麗な音を発する電子ドラムに違和感を感じ上手く演奏できない方も多くいます。
- ・ パッドの素材や機能
- ・ 音源モジュールに記憶された音色数や種類
- ・ 拡張性やオプションなど